テレジン通信:2011年8月

スマートフォン対応サイト「Hot Place」にテレジン&野村路子が紹介されました

IT活用支援および販売促進をサポートするピクサ・コミュニケーションズ株式会社が提供する、スマートフォン、タブレットPC、そしてデジタル・サイネージにも対応したWebマガジン「Hot Place」(ホット・プレイス) http://www.hotplace.net/ に、野村路子とその活動が紹介されました。

スマートフォンをお持ちの方は是非、ご覧ください。 

 

テレジンを語りつぐ会:8月会報

暑い日が続いております。お変わりなくお過ごしでしょうか。7月の被災地訪問の報告もあり、会を開きたいと思うのですが、なにしろ体温を上回るような気温、毎日のように新聞やテレビで「高齢者は熱中症に注意」と言われて、少々臆病にもなっています。最小限、仕事に出かけてはいますが、会は、もう少し涼しくなってから、ゆっくり皆さんにお目にかかりたいと思います。

 

7月の石巻訪問は、ホームページに詳しく報告してありますので、それをご覧くださいませ。詳細を見る

皆さまからいただいたカンパで、たくさんの画用紙、落書き帳、クレヨン、色鉛筆を買うことができました。本は、出版社からの寄付、仙台の前田さんが集めてくださったもののほかに、7~8月、「テレジン収容所の幼い画家たち展」を開催してくださった北九州・福岡で集めてくださったものなどで、400冊も贈ることができました。さらに、宇宙フォーラムからの協力のオファーがあり、子どもたちが描いた絵を宇宙ステーションへ送るという、壮大な夢が実現しました。

朝日新聞東京本社の取材があり、関東では、7月22日(当日)の夕刊、東北は翌日の朝刊の、それぞれ1面に掲載されました。NHKの取材も入ったのですが、これは仙台支局で、当日の夕方、ローカルニュースでしか放映されず、残念ながら、関東では見ることができませんでした。

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子どもたちの描いた絵は、明るく、生き生きした絵が多いのですが、それでも、津波を描いたものもあり、また家を描いた子が何人かいました。家を描いた絵は、テレジンにもたくさんあります。家族みんなで楽しく暮らしていた家でしょう、テレジンの子どもたちは、もう一度そこへ戻りたいと願い、石巻の子どもたちは、一瞬にして失われてしまった家を想ったのでしょう。その悲痛な願いが胸を打ちます。ラーメンを描いた女の子がいました。あの日、津波が街を襲ったとき、石巻は雪が降ったのです。高台に逃れて過ごした友人の、首藤さんは、その夜の寒さを語ってくださいました。もしかしたら、寒くて、お腹が空いて、ラーメンが食べたかったのでしょうね。


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新聞やテレビで報じられているのは、ごく一部。仮設住宅ができたとか、店が開いたとか言いますが、実際には、まだ多くの街がまったく生活できる場所にはなっていません。今回訪ねた荻浜は、集落が全滅です。こわれた家、波が運んだ瓦礫、何も片付いていません。そんな中で、学校を開こうとした先生や父母たちの熱意、愛情がいかに大きいものか、しみじみと感じると同時に、これから始まる地域の復興の大変さを想像すると、未曾有の被害とはいえ、あまりにも政府の対応の遅さに腹が立ってきました。

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あの子たちは、今、どんな思いで夏休みを過ごしているのでしょうか。いつもなら、あの砂浜を走り、海で遊ぶ楽しい日々のはずなのに、それもできないのです。学校の裏は森なのに、なぜかセミの声が聞こえなかったのです。家々の庭に大きく伸びて咲くはずのヒマワリの花も見られないのです。……それでも、子どもたちは元気にしていました。50色の色鉛筆に歓声をあげてくれました。西山さんといっしょに「マルマルモリモリ」と歌い踊っていました。

皆さまからいただいたカンパは、まだ少し残っていますが、もう一度、現地を訪ねるには不足です。「テレジンを語りつぐ会」としては、今後も、あの子どもたちへの支援を続けて生きたいと考えています。8月はお休みしますが、9月の例会で、いろいろご相談したいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

8月28日、さいたま市で「テレジン もう蝶々はいない」のコンサートをします。暑い中ですが、おいでいただければ幸いです。 詳細はこちらから

 

野村 路子