■テレジン通信

2020年

10月

22日

政治評論家・森田実氏のFacebookより(2020年10月)

政治評論家の森田実氏がご自身のFBで、野村路子の『生還者(サバイバー)たちの声を聴いて―テレジン、アウシュヴィッツを伝えた30年』を紹介して下さいました。

この日本に、非常に優秀なノンフィクション作家がいることを、さらにいえば、人間として尊敬すべき女性がいることを、読者に感じさせ、希望と勇気とを与えてくれる書物です。著者の野村路子さんに深い尊敬を感じています。」(森田氏FBより引用)

身に余るお言葉に恐縮していますが、頑張って続けてきたことを評価していただけたことは嬉しいです。

2020年

10月

20日

新刊に寄せて(2020年10月)

もう何年も前から、最後の本を出すと繰り返し言っていた記憶があります。30年前にテレジンの子どもたちの絵と出会い、数少ない生還者の方に会ってお話しを聞き、それを伝えるために、何冊もの本を出し、講演会でお話しをしてきたのですが、いつまで続けられるのか、少し自信を失いかけていたのです、生還者の方も亡くなり、私自身も老いを感じるようになって、伝えておかなければいけないことをきちんと一つにまとめるのも、「終活」なのかなと感じるようになっていたので・・・。

でも、ありがたいことに、昨年6月NHK-Eテレの『こころの時代』が「テレジンの絵は語りつづける」という番組で、私はテレジンとかかわって生きた30年を番組にしてくださいました。そのおかげで、『テレジン収容所の幼い画家たち』開催のオファーが続き、私の講演会も次々と各地でやらせてい炊くことになり、何度目かのうれしい多忙な日々がつづき、なかなかパソコンに向かう時間が取れなくなっていました。

そんななかで、コロナによる自粛生活が始まりました。2月に、東京練馬区、埼玉吉見町、神戸、兵庫稲美町で続けてお話ししたのを最後に、後の予定はすべて中止、キャンセルになりました。

学校がお休みになり、街から子どもの元気な姿が見られなくなり、ある日、近所の小さな公園で、遊具が紐でくくられ《使用禁止》の札が下がっている光景を見たのです。マスクをした幼い子供が、母親に手を引っ張られるようにして通り過ぎていきました。

悲しい光景でした。《ユダヤ人は入るな》と書かれたプールの入り口、看板の前で、後ろでしっかりと海水着を握りしめて立ちすくむ子どもたちの写真を思い出しました。事情は違っても、子どもたちから笑顔が失われて行く不安に襲われたのです。何かしなければ・・・テレジンの子どもたちの絵に出会って、どうしても日本で展覧会をやりたいと思った、あの時の熱い思いが甦ってきました。

もう一度、あのころの、いわば私の行動の原点に戻って、お話しをしよう、偶然にだったけれど知ってしまったテレジン収容所の事実、それから一生懸命に走り回って聞いた生還者たちの声、それを伝えなければ・・・でも、外出は自粛、人が集まってはいけない、大声で話しをしてはいけないという日々でした。

あの収容所の中で、子どもの笑顔を取り戻すために命がけで立ち上がった大人たちの存在、彼らの愛情があったから、生き残ることが出来た、辛く悲しい日々に中に小さな灯のように楽しかった記憶がある。と語ってくれた人たちの言葉。それを、ちゃんと書き残そう・・・外出できない時間を執筆に充てることが出来ました、書いても書いても、書けば書くほど、まだまだ書きたいことが出てきて困りました。

やっと一冊の本にまとめました。ぜひ読んでください。

 

『生還者(サバイバー)たちの声を聴いて』~テレジン、アウシュヴィッツを伝えた30年~
 第三文明社 1700円です。 詳細はこちらで御覧ください。

 

テレジンの子どもたちの絵を一度でも見た方、ぜひその時の心の揺らぎを思い出してください、もう一度、あの子たちの声を聴いてください。

 

2020年10月 野村 路子

2020年

7月

30日

展覧会中止のお知らせ(2020.07.30)

昨年6月にNHK-Eテレで放映された『こころの時代~テレジンの絵は語りつづける~』は、私(野村路子)が、1989年にプラハの街で偶然に、あの子どもたちの絵と出会った日から今日まで、30年の軌跡を描いていただいたものでした。

嬉しいことに本当にたくさんの方に見ていただき、大きな反響がありました。そのおかげで、今年は各地で展覧会・講演会が開かれる予定になっていました。

 

私の住む川越市では、昨年、有志の方々で実行委員会をつくり、市立美術館で『テレジン収容所の幼い画家たち展』を開催、市民ギャラリー始まって以来最多の入場者を記録するほどの盛況でした。

見に来て下さった川合市長は「人類が二度と同じような過ちを犯さないように、テレジン収容所の幼い画家たちが描いた絵は、これからも多くの人たちに見てもらいたい」と、市の広報誌に書いてくださいました。

そして、多くの入場者の方からも「もっと多くの人に知らせたい」「来年は子どもたちを連れて来ます」「もう一度あの絵に出会いたい」などという熱い感想をいただき、かかわった仲間全員が〈やってよかった〉という思いを噛みしめ、もうその時から2020年にも!と、お互いの心に決めていました。

 

2回目の2020年は、展示パネルを少し替えよう、ワークショップを開いて、当時の子どもたちが絵を描いた場を追体験しよう・・・と、あらたに《テレジンを語りつぐ会in川越》を結成し、さまざまなプランも出来上がっていたのですが、コロナ感染者が増え、多くの方が会場でご一緒し、お互いに感動を語り合うことは不可能ということになりました。

本当は、こんな時代だから、あの子どもたちの《生きる力》にふれ、収容所という境遇の中でも、子どもたちの笑顔を守り続けた大人たちの姿勢を知っていただきと切に願っていたのですが・・・。

 

本当に残念ですが、今年の川越展は中止(ではなく、来年に延期)ということになりました。北九州・福岡・兵庫など各地の主催者も同じ決断をなさっています。7月にNHK-Eテレ『こころの時代』の再放送があり、また多くの方からお問い合わせをいただきました。「見たい」とおっしゃって下さった皆さまには、ぜひ来年を楽しみになさってください。

 

来年2021年は、日本で『テレジン収容所の幼い画家たち展』が始まって30年目の記念すべき年になります。

昨年も、「30年前に見た」という方が、こどもさんをつれてきてくださいました。次世代の方々との出会いも楽しみです。

2021年9月、その頃には、人間の叡智と行動力で新型コロナウイルスにうち勝ち、自粛生活の中で得た価値観と判断力で新しい世界ができているかもしれません。それを楽しみに頑張って取り組んでいきます。

 

私自身は、この自粛暮らしのなか、「遺書」のつもりで、この30年の間に会った人、聞いた話、見たもの、知ったこと、考えたことなどをまとめました。10月には新しい本を出版できる予定です。出版の際にはまたお知らせいたしますが、是非読んでいただきたいと今から願っています。

 

              《テレジンを語りつぐ会》代表 野村路子

2020年

1月

10日

2020年1月21日~2月1日:練馬区 勤労福祉会館

2020年1月21日~2月1日:練馬区勤労福祉会館にて
2020年1月21日~2月1日:練馬区勤労福祉会館にて

2020年

1月

09日

2020年の活動について

去年は日本各地へ出かけ、たくさんの方から「上手に描けたね」「絵から聞こえるメッセージ受け止めましたよ」と言っていただいたテレジンの子どもたち。

今年も元気です。1月の東京練馬区大泉学園町から始まって、2月には神戸へ行きます。

川越の「テレジン収容所の幼い画家たち展」は、9月開催が決まりました。昨年は入場をお断りしなければならないほど多くの方が来て下さったコンサートも、会場を変えて多くの方に聞いていただ開けるようにしました。

9・11 あのニューヨークのテロの当日、私たちはプラハに着きました。

差別がもたらす不幸、憎しみが生む悲劇、何も知らない子どもたちの犠牲にする争いの愚かしさ・・・それを訴えるコンサート『テレジン もう蝶々はいない」初めての海外公演のためでした。

その日に起こった、差別や偏見から起こった事件でした。それを忘れずにいようと9・11はコンサートを続けていましたが、今年は川越公演です。

フルメンバーで、完全ヴァージョンで上演します。

2020年2月6日~11日:兵庫県神戸市コキタマチショッピングセンター

2020年2月6日~11日:兵庫県神戸市コキタマチショッピングセンターにて(チラシは見本です)
2020年2月6日~11日:兵庫県神戸市コキタマチショッピングセンターにて(チラシは見本です)
2020年2月6日~11日:兵庫県神戸市コキタマチショッピングセンターにて(チラシは見本です)
2020年2月6日~11日:兵庫県神戸市コキタマチショッピングセンターにて(チラシは見本です)

2020年

1月

09日

2020年 年賀状

あけましておめでとうございます

2019年は、私が初めてテレジンの子どもたちの絵に出会って30年目の年でした。もう終活の時期なのかな?と思っていたのですが、嬉しいことに、これまでの歩みを褒めていただけた特別な年になりました。

NHK-Eテレ『こころの時代』~テレジンの絵は語り続ける~の反響はとても大きいものでした。以前から「私が池に投げた小石が波紋になって…」と書いてきましたが、放映後、地元川越での展覧会を経て、全国各地に開催希望の輪が広がり、講演会のオファーもたくさんいただいています。今の世の中の不安定さから将来を危惧する方が多いのも一因だと思いますが、70年以上過ぎても色あせない子どもたちの絵から伝わるメッセージの強さでしょう。

『遺書』のつもりで書き始めた30年の歩みをぜひ本にしたい、多くの方から愛されてきたコンサート『テレジン もう蝶々はいない』を映像で残したい、傷んでいるパネルを修復したい、J.コムスキーのアウシュヴィッツの絵の展覧会をしたい…どこまでできるか、まだ少し欲張って考えています。

昨年はポーランド・チェコへの旅でしたが、今年2月にはイスラエルへ行きます。ちょうど30年前に<生還者(サヴァイヴァー)>の方たちと親しくお話しする機会を得たBeit Theresienstadtを訪ね、91歳でお元気なテレジンの<子ども>にも会う予定です。それが、もう少し頑張ろうという力を与えてくれるはずです。

皆さまにとって幸せな年になりますよう、そして、私のわがままな夢の実現にどうぞお力を貸してくださいますようお願いいたします。

平和な世界、すべての子どもたちが幸せに暮らせる社会を願って。

        2020年元旦

                          テレジンを語りつぐ会 代表 野村 路子