2020年 年賀状

あけましておめでとうございます

2019年は、私が初めてテレジンの子どもたちの絵に出会って30年目の年でした。もう終活の時期なのかな?と思っていたのですが、嬉しいことに、これまでの歩みを褒めていただけた特別な年になりました。

NHK-Eテレ『こころの時代』~テレジンの絵は語り続ける~の反響はとても大きいものでした。以前から「私が池に投げた小石が波紋になって…」と書いてきましたが、放映後、地元川越での展覧会を経て、全国各地に開催希望の輪が広がり、講演会のオファーもたくさんいただいています。今の世の中の不安定さから将来を危惧する方が多いのも一因だと思いますが、70年以上過ぎても色あせない子どもたちの絵から伝わるメッセージの強さでしょう。

『遺書』のつもりで書き始めた30年の歩みをぜひ本にしたい、多くの方から愛されてきたコンサート『テレジン もう蝶々はいない』を映像で残したい、傷んでいるパネルを修復したい、J.コムスキーのアウシュヴィッツの絵の展覧会をしたい…どこまでできるか、まだ少し欲張って考えています。

昨年はポーランド・チェコへの旅でしたが、今年2月にはイスラエルへ行きます。ちょうど30年前に<生還者(サヴァイヴァー)>の方たちと親しくお話しする機会を得たBeit Theresienstadtを訪ね、91歳でお元気なテレジンの<子ども>にも会う予定です。それが、もう少し頑張ろうという力を与えてくれるはずです。

皆さまにとって幸せな年になりますよう、そして、私のわがままな夢の実現にどうぞお力を貸してくださいますようお願いいたします。

平和な世界、すべての子どもたちが幸せに暮らせる社会を願って。

        2020年元旦

                          テレジンを語りつぐ会 代表 野村 路子