テレジン通信:2023年9月

私は、イスラエルから戻って以来ずっと杖を使って歩いています。

年齢から言えば仕方のないこと、「転んだら最後よ。杖は必需品」と医者に言われてしまいました。

でも、今年も9・11にコンサート「テレジン もう蝶々はいない」を上演することにしました。

自分で主催するのはもう最後の機会だと思っています。だから、今回は完全版のコンサートにします。

 

昨年は900席の大ホールがほぼ満席になるほど多くの方に見ていただきました。

第1部で講演をし、第2部のコンサートは幼稚園の合唱団にも参加していただいたニュー・ヴァージョンでした。完全版では、テレジン収容所のこと、子どもたちのこと、さらに私の思いまですべて語りの中に入れます。これだけの語りができるかどうか・・・とにかく頑張るつもりです。

 

昨年、敦賀の人道の港ムゼウムで見た展示『空のない星』、1枚1枚にパネルから子どもたちの声が聞こえるような気がしました。それは、もう30年も前に訪ねたイスラエルのヤド・ヴァシェム(世界ホロコースト記念センター)でも聞こえたものでした。そして、それよりも前に、テレジンの子どもたちの絵の前に立った時にも・・・。

 

今年2月、久しぶりにヤド・ヴァシェムへ行きました。展示は大きく変わっていました。あの時に見た絵の展示はなくなっていました。

でも、あの追悼の館で、子どもたちの声が聞こえました。戦争がなぜ起こったかも知らない幼い子どもたちを犠牲にする戦争、「もっと生きていたかった」と子どもたちは叫んでいました。

だから、あの『空ない星』展はぜひ多くの人に紹介したいと強く思っていました。

そうしたら、思いがけなく、帰国後間もなくイスラエル大使館から展覧会共催のお話があったのです。

 

川越で開催することが決まりました。ぜひ多くの方に見ていただきたいと思います。